予防接種のご案内

ロタウイルス感染症とは?
子どもの胃腸炎の原因のほとんどがウイルスによるもので、ウイルス性胃腸炎と呼ばれます。
胃腸炎の原因となるウイルスはたくさんありますが、その中でももっとも重症になりやすいのがロタウイルスによる胃腸炎です。
ロタウイルス胃腸炎は、水の様な下痢が何回も続き、それに嘔吐を伴います。体から水分と塩分が失われていき、脱水症を引き起こすことがあります。
ロタウイルスには多くの種類(型)があり、5歳までに少なくとも1回はかかると言われており、その後も何回かかかることがあります。
特に初回感染時は重症化しやすく、脳炎脳症の原因となることもあり注意が必要です。
感染力が非常に強く、根本的な治療法はないため、ワクチンによる予防が重要です。
ロタウイルスのワクチン
ロタウイルスによる嘔吐下痢症を予防する効果、重症化例を約90%減らす効果があります。
ロタウイルスワクチンには2種類(ロタリックス(2回接種)とロタテック(3回接種))あります。
当院では「2回接種で終了できる」「1回目の接種時点でもかなり良い予防効果が得られる」「腸重積発症率がより低い」点を考慮し ロタリックスを採用しています。
同じ種類のワクチンで接種を完了する必要があります。
※ロタテックをご希望の方は、お電話でご相談ください。
ロタリックス(1価)
最も流行し重症化しやすい1種類(GIP[8])のヒトロタウイルスを弱毒化したワクチンです。
交差免疫により他の型のロタウイルスにも有効であることがわかっています。
- 接種方法
- 1回 1.5ml 経口接種(口から飲むタイプ)
4週間隔で2回接種します - 接種期間
- 生後6週 〜24週
遅くとも生後14週6日(生後3ヶ月半過ぎ)までに1回目を受け、生後24週(168日)までに接種完了します。
当院では初回接種は、生後2ヶ月での同時接種を推奨しています。
生後24週以降は接種することができません。
ロタワクチンの副反応
ワクチンの有益性には変わりありませんが、注意すべき副反応に腸重積があります。
腸重積は、腸が腸の中に折り重なるように入り込み腸閉塞を引き起こす病気です。
初回接種後や接種後1週間以内の発生が多いとの報告があります。
反復する嘔吐や不機嫌、いちごゼリー状の血便などの症状があれば、受診をしてください。
接種当日の注意点
- 接種前2時間、接種後30分は授乳を控えてください。
ロタリックスは経口ワクチン(飲むタイプ)のため、接種前にお腹にミルクが残っているとうまくワクチンを飲めなかったり飲んだ後にワクチンを吐いてしまったりすることがあります。
そのため、前後は一定時間授乳を控えてください。
万が一接種後に嘔吐した場合も、少量でもワクチンが入れば腸内で増殖し免疫がつくとされており飲み直しは不要とされています。 - 接種後15-30分は、院内で様子観察してください。
接種後に重いアレルギー症状が起こることもあります。
すぐには帰宅せずに、15-30分は院内で安静にして経過をみてください。